karatsu P25-P32 [ja]

[ previous page ]

烏賊の活き造り

食 水野旅館 / 立花 研一郎
器 隆太窯 / 中里 隆、中里 太亀、中里 健太

名護屋城から移築された武家屋敷門が迎える老舗。唐津·呼子と言えば烏賊の活き造りだが、透き通る烏賊と隆太窯の焼締の荒々しさとの対比が美しい。太閤秀吉ゆかりの「とんさんなます(殿様刺身)」も水野旅館の名物。


胡麻豆腐と佐賀牛の炭火焼

食 聴雪菴 / 佐々木 拓也
器 鳥巣窯 / 岸田 匡啓

雪の音を聴きとるように、お客の声なき声を聴き、丁寧な仕事で応えていく。すり鉢で擂りあげた胡麻やじっくり焼かれた佐賀牛。鳥巣窯の繊細で品格ある器に盛り付けられた料理には、そんな主人の料理哲学が表現されている。


だし巻き卵

食 いな葉 / 稲葉 勝好
器 三藤窯 / 三藤 るい

懐石の修行を重ねた店主が作る、シンプルかつ存在感を放つだし巻き卵。いくつもの出汁をブレンドした特製の蕎麦出汁を使い、その美しくもやさしい黄色が、三藤窯の三藤るいさんによる柔らかな風合いを持つ器にしっくりと馴染む。


唐津の向付

食 唐津さかもと / 坂本 亮
器 作礼窯 / 岡本 作礼

白と黒のコントラストが美しい鮑型の朝鮮唐津の器から料理人が感じたのは、岡本作礼氏ならではの上品さと寛容さ。おのずと行き着いた素材は、唐津の海のものだった。胸を借りる思いで、飾らず、自然に、ありのままに仕上げた一品。


ちらし寿司

食 唐津 呂者堂 / 土屋 英二
器 由起子窯 / 土屋 由起子

唐津の海の幸に自家栽培の椎茸、山椒、三つ葉や酢蓮など、丁寧に仕事をした具材を寿司飯にちらした。「茜唐津」は、夕焼け空から名づけた独自の釉薬で、食卓に和みをもたらす。料理人の亭主と陶芸家の妻の協業が温かな空間をつくる。


イカサルサ

食 たまとり / 伊藤 真衣
器 monohanako / 中里 花子

器を見たら作者がわかる。チャクラと名付けられた皿、花子さんの顔が浮かぶ。「自由に作りなよ」という声が聞こえてくる。揚げたての烏賊とソース。自然と盛りつけの手が運ぶ。この料理を見て「たまとり」と言ってもらえたら嬉しい、と店主。


大地と海
サワラのポワレ

食 横田 悠一
器 殿山窯 / 矢野 直人

平らかな皿に流した釉薬は、行き場をなくし器の表面に凪の海のように漂う。主人自ら釣り上げた鰆と、腹身のクロケット(コロッケ)。海藻を混ぜ、波をイメージしたクレープにはアサリのソース。一皿で大地と海の旨味のエネルギーを表現している。


塩むすび

食 あるところ / 平河 直
器 健太郎窯 / 村山 健太郎

絶妙な手加減で握られた、真っ白な三角のおむすび。おむすびには、神宿る山の形を模し、それを身の内に入れることで神の力を得ようとした、という説がある。そんなおむすびを、凛とした佇まいの健太郎窯の斑唐津に盛りつけた。


[ next page ]